Are you ready ?




『お前……っ、なぁ、イブちゃんからも言ってやってよー。』

「え……っ」


いきなり2人の会話から私に話が振られてびっくり。

私からもって…そんな、


『いぶ、しゃべらなくていいからね、こんな獣と。』

「えっ」

『とにかく、俺はいぶの練習姿を見んの。俺の癒し邪魔すんな。』

「え、あ…。」


ま、また…?


そう。

私が放課後も練習するようになってから、壱くんは先に帰っててほしいのに、壱くんはそれを頑なに拒む。

そんなに拒んで、何をしているのかと思えば――私が練習しているのを、私の教室から眺めている。

恥ずかしいからやめてって言ってるんだけど、『俺の癒しを奪うの?』と言われてしまい、強く言えず。

そうしてズルズルと今に至るんだけど――…


『癒しって…そんなこと言ってっと、、、はぁ…。』


野獣さんはもう呆れて何も言えないって感じだ。

疲れてるようにも見える。

そんな野獣さんを、もう見ていられなくなってしまった私は・・・、


「壱くん、練習してください。」

『『え??』』



気付いたら、口が滑っていた。




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