Are you ready ?
「――ごちそうさまでした。」
『お粗末さま。』
ご飯を食べ終えると、壱くんに“お粗末さま”と言われた。
まぁ、これもいつものことだからもう慣れたんだけどね。
それにしても、美味しかったー
最近、自分でお弁当を作るようになったからか、ご飯を作ってもらえるありがたさを感じるようになった。
だから、ご飯もすごく美味しく思える。
これも…ある意味壱くんのおかげ?…かな
と思っていると、
『いぶ、』
「ん?」
今まで無言で私を見つめていた壱くんが口を開いた。
『米粒付いてる。』
「へ?――っ」
壱くんのしなやかな手は、私の唇へとのびて、私の唇の傍にくっついていた米粒を取ると、それを口に含んだ。
「い、壱く――ッ」
『甘い。』
「っ――///」
ぁあ、もう。
甘いのは壱くんだ。
こんな朝っぱらから、色気ムンムンなんて。
どれだけ私を、翻弄させれば気がすむの…?
顔を赤くして、まともに壱くんが見られなくなってしまった私が目を向けた時計。
7時30分
――ぅわぁっ、遅刻ッ!
「着替えて来るねっ!」
『くくっ、可愛い』
血相変えてリビングを出て行った私を見ていた壱くんは、いつものように笑ってた。