Are you ready ?
「い、壱くんっ、はずかし――」
『大丈夫。』
「……っ」
ふと、耳に届く、壱くんの落ち着いた声。
私に囁くその声は、きっと誰にも聞こえない。
『いぶは頑張ってた。だから、できる。』
壱くんは、格好良い。
『何も怖がらなくていい。皆がついてる。』
だって、私が一番不安な時に、
こんなに勇気をくれる言葉を私にくれて、
『頑張ってこい、いぶ。』
激励の言葉とともに、私の背中を押してくれる。
私の大好きな人で、
私の自慢の彼氏――
「ぅん、頑張るっ…!」
試合に出場する選手の招集の掛け声が響く時、私は壱くんから離れた。