Are you ready ?
『――良い子。』
「ん…っ」
唇が離れる頃には、擦り傷があった場所にきちんと絆創膏が貼られていて。
壱くんは器用だなァと、あまり働かない脳で思った。
それから、お互いベッドの上で抱きしめあっていると――
ピンポンパンポーンッ
“これより、昼休憩といたします。また、昼休憩は13:20までです。午後の試合でも万全が期せるようにしっかりと栄養を取りましょう。もう一度繰り返します――――”
校内アナウンスが流れ、グラウンドにいた生徒が徐々に校舎に戻ってくるのが、閉められたカーテンの隙間から見えた。
『…ご飯にしようか、いぶ。』
「うんっ」
お腹空いたー。
お弁当は教室にあるから、取りに行こうと、ベッドから降りようとすると――
ふわっ…
「へっ・・・」
身体が宙に浮き、気付けば、ここに連れてこられた時と同じように、壱くんにお姫様だっこされていた。
「ぇ、あのっ、壱くんっ…!?」
『いぶは安静にしてた方がいい。だから今日は我慢して、ね?』
「っ――」
至近距離のキラースマイルに言葉を亡くした私は、おとなしくお姫様抱っこをされて、保健室を出たのだった――。