Are you ready ?
――「壱くんはっ、恥ずかしくないのっ?」
今に至る。
本当に疑問だ。
あんなこと言われて、あんなに注目の的になって、恥ずかしいと思わないの?壱くんは。
『全然、むしろ逆?だって、いぶにたかるハエどもを排除するには一番効果的なやり方でしょ?』
「な……っ」
やっぱり確信犯ーーっ(泣)
私の嫌みを含んだ質問は、壱くんのさわやか笑顔で見事に打ち返された。
もう、泣きたいくらいに清々しいってこのこと?
「ハエ、なんて…――」
『いぶの隣にいていいのは俺だけ。いぶの世界の中心にいていいのも俺だけ。他の男なんざいぶには必要ないでしょ?』
そう言って、私のつくったお弁当を食べて美味しいと言ってくれる壱くん。
なんか…
さっきよりも独占欲が増してないですか??
『俺の大好物を分かって作ってくれる、こんなに可愛いいぶを、俺が離したり、逃がしたりするわけないでしょ?ん?』
この日、壱くんの私への愛情は、底知れないものだという事を、この時初めて知った気がした。