Are you ready ?




――『祭りの後の静けさ、ってやつ?』


試合終了後。

もちろん、壱くんチームの完全勝利で試合は幕を閉じた。

壱くんのブザービート、格好良かったなぁ。

誰もいない観客席で、私と美鈴ちゃんは壱くんたちを待っていた。


「私、ちょっと不安になっちゃった。」

『え?』

「あんな格好いい彼氏がいて良いのかなぁ?」


さっきの試合で、完全に壱くんがチームのエースとして活躍してた。

周りの歓声も、壱くんへのものが断然多かったし。

あんなに人気者とされてる壱くんを、私が独り占めしてていいのかなって、思ってしまう。


『なーに言ってんのよ。』

「っ…?」


私じゃ壱くんに釣り合わないんじゃ、そう思ったとき、美鈴ちゃんの拳が私の頭に落ちた。


『あんなにクラスマッチに出たがらなかった神崎を、あそこまでやる気にさせたのは紛れもない、あんたでしょ?何、そこで自信なくしちゃってんの?』

「だって…、」


あんなに女の子たちの壱くんへのラブコールを見た後では、とうてい自分に自信なんかもてそうになかった。



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