Are you ready ?
『イブに迷ってる暇なんかないはずよ。』
「え?」
『イブはさっきの試合見て、どう思ったんだっけ?』
美鈴ちゃんの問いかけに、私は言葉に詰まる。
確かに、格好良かった。
素敵だと思った。
あんなに頑張ってた壱くんを、もっともっと見たいと思った。
『神崎があそこまで頑張ったのは、イブがいたからだと思うよ、私は。』
「美鈴ちゃん…。」
『だから、あんたは神崎の彼女で良いの!胸張って、神崎の隣にいなよ。神崎だって、イブを不安にさせたくてあの試合に出たわけじゃないはずよ。』
「…うん、ありがとう、美鈴ちゃん。」
美鈴ちゃんの言葉で、不安がすーっと消えていく。
私が笑顔を見せると、美鈴ちゃんも笑ってくれた。
『そうそう。俺はいぶのために頑張ったんだから。』
「っ!?――い、壱くんっ!」
背後から抱きしめられて、振り向くと、そこには柔らかな笑みで微笑む壱くんがいた。