Are you ready ?
――ガラッ
『いぶ、迎えに来た。』
そんな時、ナイスタイミングで現れた壱くん。
『最愛の彼氏のご登場…羨ましい限りだわ。』
「もっ、桃香ちゃん…!」
『早く行きなよ、また嫉妬されちゃうよ?』
ニヤニヤしながら私で遊ぶ桃香ちゃんは、美鈴ちゃんと同じ穴の狢だと思う。
「う…またね、桃香ちゃん。」
『うん、せいぜいイチャついてきなー!』
「っ!?桃香ちゃんってば!」
最後の最後まで余計なことを言う桃香ちゃんをちょっと睨んだ私は、壱くんの元へ駆け寄った。
「ごめんね、待たせちゃって。」
『いぶなら、何時間でも待ってるよ、俺は。』
「~~っ壱くんってば。」
言葉を交わすたびに壱くんから漏れるこの甘々は、どうやったら止められるんだろう。
『さぁ、行こうか。俺の願いを、姫に叶えてもらうよ?』
「?――あ、壱くんの優勝のご褒美って何?」
『それはまた後のお楽しみ♪行くよ。』
つないだ手を恋人繋ぎにすると、壱くんは満足そうに歩き出したのだった。