Are you ready ?



直感的にそう思った。

私とお母さんにだってある。

いつもは笑いあってても、溝はある。

知りたいようで知りたくない、私のお父さんのこと。


「壱くん、」

『いぶ、他のこと話そ?ね、』

「ぅ、うん…。」


無理矢理作って笑顔で、手首を掴まれてそう言われたら、私はもう頷くしかなかった。

壱くんが心の底で抱え込んでる問題が何かは分からなかったけど、いつかは…

いつかは、私に話してくれるのかな。

それを信じて、私は待ってたほうがいいんだよね?


『今日の試合でさ、後半の最初のゴールの時にね――』


それでいいんだよね、壱くん――。


『って、いぶってば聞いてる?』

「えっ?ぅ、うん、聞いてるよ!野獣さんがパスミスしたって話でしょ?」

『そうなんだよ、ホントに使えない、あのドジ野郎。』


この時、ちゃんと試合を見てて良かったと安堵する。

今は忘れなきゃ。

今日から4日間は、壱くんの優勝のご褒美タイムなんだから。


「壱くん。」

『ん?』

「私、頑張るからね。」


?と壱くんは何もわかっていないようだったけど、私は壱くんの手を強く握った。


「今日は、ハンバーグ作るね!」

『ハート型のね。』

「えっ!?恥ずかしいよー…///」

『いぶならできる。』


そんな話をしながら、壱くんのお家に向かう私たちだった。



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