Are you ready ?



『だから、何で?何がダメなの?理由を教えて?』

「っ、」

『理由もないのに、いぶは俺を拒否るの?』

「うっ、」


悲しそうな表情をする壱くんを前に、言葉が詰まる。

理由はあるけど。

立派な理由がいくつもあるけど。

恥ずかしくて言えないんだってばーーっ!!(泣)


『いぶ、まだ足が痛むでしょ?俺が介護してあげる。』

「っ…!?」


半ば強引に抱え上げられた私の身体。

えっ、ちょっと待って、

このままお風呂に直行なのっ!?


「あああああのっ、壱くんっ!」

『ん?』


私を姫抱きにして、廊下を進む壱くんに必死で語りかける。


「だ、大丈夫だから。自分で歩けるし、ね?お風呂くらい自分で入れるから、一人で――」

『そっか、自分でできるのか。』


急に、廊下の真ん中で立ち止まった壱くん。

これは改心してくれ――


『でも俺はいぶと一緒に入りたいから。だから、入ろ?』


なかったーーーっ!




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