Are you ready ?
『おまたせ。』
壱くんに言われた通り、ソファの端っこに座って待っていると、ニコニコの顔をした壱くんがドライヤーを片手に戻ってきた。
「あ、ありがとう。あの、どこで乾かしたらいい?」
この後すぐに壱くんもお風呂に入るだろうし、脱衣所と洗面所は同じところにあるから、どこで髪を乾かしたらいいのだろうと思って聞いてみると、
『ん?俺が乾かしてあげるから、そこに座ってな?』
「えっ…?」
また、上機嫌な壱くんが意味の分からないことを言い出しました。
またまたポカンとする私に構わずに、壱くんはドライヤー片手に私の隣に座る。
『はいっ、後ろ向いてー、』
「えっ、壱くん!?」
『スイッチ、オーン☆』
半ば強引に壱くんを背にさせられ、髪に当たる温風。
チラッと壱くんを盗み見れば、鼻歌でも歌いだしそうなほどニコニコしていて満足そう。
……いっか。
今日は壱くんのご褒美の日だし。
壱くんに任せよう、と思った私は、壱くんのされるがままに、髪を乾かさせてもらった。