Are you ready ?



「わ、酷くなってる…!」


夕飯食べている時から雨は降り始めていたけど、まだ小降りだった。

壱くんと、クラスマッチ中に降らなくてよかったね、なんて話してて。

あれからさらに酷くなっていて、もうすぐ梅雨が近づいていることを実感する。

まさに豪雨だ。


『どうしたの?いぶ。』

「、あのね、壱く…っ!?」


外を見ていた私に、お風呂から上がった壱くんから声をかけられて振り向いた私は、カチンコに固まった。


「なっなななななっ…ふぇっ変態ぃぃっ!」

ボフッ

『ぅわっ!?』


壱くんの姿に驚きのバロメーターを振り切られ、最早パニックになった私は、ソファにあった黒のクッションを壱くんに投げつけてしまった。

なんでっ

なんでっ…タオル一枚で出てきてるのーっ!?


『変態なんて、酷いなぁー。』

「やっ…ちちち近づかないでぇーっ」


ただでさえパニックなのに、体に当たって床に落ちたクッションを拾った壱くんが近づいてきて、ソファの奥の端に逃げる。




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