Are you ready ?
『いぶ……おいで…?』
「ふぇっ…壱ぐーーんっ…!!!」
腕を広げて“おいで”と言ってくれる壱くんに、私は涙を流しながら飛び込んだ。
……今、周りに人がいて、校庭の真ん中にいるのにも関わらず。
『あー……もう…可愛すぎ……、』
「壱くっ……壱くーーん…っ!!」
壱くんの呟きなんて聞こえない。
昨日から、周りの人の目線が変わって、怖かった。
それがここに来て、全部弾けちゃったのかもしれない。
――『……壱!?』
『……あ。』
「ぅ……?」
頭もなでなでされながら、少しずつ落ち着きを取り戻していると、
『おま…っ、……ってその子…!!』
『……見るな、話すな、近寄るな。……いぶは俺の。』
「ふにゅっ…!?」
『……ヒドい…見るなって……、』
現れたのは、髪をピョンピョン跳ねさせた男の子。
壱くんみたいにカッコいい…
その男の子は、明らかに落ち込んで肩を落としている。
ぇ、……この状況、どしたらいーの…!?