Are you ready ?



『だから、俺を好きになって――』


初めて、壱くんの心の奥を見た気がした。

こんなにも、壱くんが私を欲しがってる。


こんな私を

好きだって、

欲しいって、

想ってくれてるんだ――…。


「…壱くん、」

『――っ、』


初めて、壱くんを抱きしめた。

抱きしめられるのも良いけど、

抱きしめるのも良いかも――。


「私は…壱くんのものだよ。」

『っ…いぶ、』

「壱くんが初恋だって言うんなら、私だって壱くんが初恋だもん。」


…多分。

こんなにドキドキして、胸が苦しくなるこの感情は――…


多分きっと、恋がもたらしたモノ。


だったら私は受け止めるだけ。

小さく芽吹いたその感情を、

これからゆっくりと、育んでいくだけなんだ――…。




< 59 / 174 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop