Are you ready ?



『いぶ、逃げないで…、』

「っ……」


あまりにもそう言った壱くんの声が不安そうで、私は抵抗する力を緩めた。


「…っ、ぃ、壱くんっ…!」

『んー?』

「はっ、恥ずかしいっ…から…!」


そ、その…離してほしいなぁ…なんて。

そう思っていても、中々壱くんの力は緩まない。


「壱くんー…っ」

『ん…分かってるけど…、』

「…?」

『離したくない…』

「――…っ!!」


艶やかな溜め息を零した壱くん。

ぅうー…

私はまた壱くんの言葉に赤面中…。


『…ふ、でも、もう帰んなきゃね?』

「っ…、」


ふわっと、壱くんが離れた。




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