Are you ready ?
―――パタンッ
浮ついた気持ちで、家に帰った私。
壱くんのキスに慣れることは出来なくて。
今も私の心臓は、高く鳴り響いたまま。
『依吹、遅かったわね。』
「ぉっ、お母さんっ…!」
玄関先でポーッとしていた私に近付いたのはお母さん。
エプロンをしてるってことは、今は夕御飯の支度中――ってことかな。
『上がらないの?』
「へっ?…ぁ、ぃや、、、」
いけないいけない。
慌てて靴を脱ぎ、スリッパをはいて中に入った。
『すっかりラブラブね。』
「へっ…」
『お母さん、嬉しいわ~。』
「ッ…――!!」
みっ、見られたぁーーっ!!!
お母さんから注がれる冷やかし光線が、さっきまでの私と壱くんの情事を見ていたことを物語っていた。