Are you ready ?
『今まで話さなくてごめんね?依吹。』
「ぇっ、…ううん!そんなことないよ。」
少し、戸惑った。
お父さんのこと、私は全然知らないから。
私にとってお父さんは、お母さんを悲しませた…悪い人だって思い込んでるから、お母さんのその女らしい表情に、
戸惑った。
『依吹にも彼氏が出来たし、そろそろ話さないとね。』
「え…?」
『お父さんがどうしていないのか。』
「っ……」
なんだか、
少し、
お父さんの話を聞くことが、
怖いと思ってる私がいた――…。
ピリリッ…ピリリッ
『…あら、電話?』
「ぁ…美鈴ちゃんから…。ごめん、お母さん、」
『ぇえ、部屋に行ってからにしなさい?』
「ぅん、」
お母さんの気配が消えて、私は慌てて部屋に戻って通話ボタンを押した。
着信は、美鈴ちゃん――…