Are you ready ?
イケメンさんの名前も知っておきたくて、じーっと見つめる。
『…ぁ、俺?俺はね、神崎 壱ってゆーの。』
すんなりと、名前を教えてくれた。
「ぃち…?」
『難しい漢字の方の壱ね。壱萬円札の、壱。』
「ぁ…はい。」
今どき、変わったお名前の人もいるんだな…と思った。
『ねぇ、ちょっとこっち来て、依吹。』
「…?」
名前を呼ばれて、何だろう、と神崎くんのところへ行けば、
「にゃっ…!?」
『つーかまーえたっ♪』
意図も簡単に神崎くんに抱きしめられてしまった。
「…っ、…っ!」
突然で、慣れない行為に戸惑う私。
だっ、抱きしめられるなんてっ…
お母さんくらいにしかされたことないしっ…!!
『俺の依吹。もう絶対離さない…。』
「あの…話が……」
そのままの状態で、耳元でそう囁かれて、何を言われても理解できない。
心臓っ、心臓がぁーーっ!