Are you ready ?



『は、…もう、降参だ。』

「え…?」


私から目線を逸らした壱くんは、力なくフッと笑った。

その姿はすごく色っぽくて、不覚にもドキッとしてしまう。


『出るよ。クラスマッチ。』

「・・・!」

『出て、絶対優勝してみせる。』

「ッ―――」

『キターーーッ!!!』


驚きすぎて、嬉しいのに声すら出ない私とは裏腹に、野獣さんは中庭全体に響き渡るような大声で喜んだ。

いつから私たちの会話を盗み聞きしていたのだろうと疑問に思ったけど、

それよりも、壱くんがクラスマッチに対してやる気を持ってくれたことの方が数倍嬉しくって、そんな疑問もどうでもよくなった。


「壱くん、ありがとう。皆のために、頑張ってね!」


クラスマッチにやる気になってくれた壱くんを、出来る限り応援しようと思った。

私にできることがあれば…何でもするからね。





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