Hurt〜傷〜
電話を切ると、お母さんは無表情に言った。


「純、出かけるから準備して」


何とも言えない不穏な雰囲気で、私は何も言ってはいけないと思った。

タクシーを呼び、二人で乗り込んだ。

お母さんは、無表情で何も話さない。

まるで魂が抜け、脱け殻になったようだ。

窓の外は雨で、タクシーの中も外もどんよりと暗かった。
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