Hurt〜傷〜
━━━『霊安室』と書かれた部屋に着いた。

そこには真っ白な服を着て、顔に布をかけられたお父さんがいた。


「ねぇ、お母さん。お父さんは寝てるの?」


もう、お父さんがこの世にはいないということが分からなかった私は、そうお母さんに聞いた。


「純…。お父さんはね、お星さまになったんだよ」

「お星さま?」

「そうだよ。お星さまになって、純やお母さんをずっと守ってくれるんだよ」


そう悲しそうに笑うお母さんに、これ以上は何も聞けなかった…。

どうして、私の誕生日を祝ってくれないの?

どうして、お父さんはここにいるのにお星さまなの?

どうして、どうして…と浮かんでくるたくさんの疑問を自分の中で打ち消した。
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