Hurt〜傷〜
…ピルルルル…ピルルルル…

そんな二人の幸せを引き裂くように、静かな公園に、無機質な携帯の着信音が鳴り響いた。

二人はそっと離れ、微笑み合い、それぞれ携帯を取り出した。


「あっ!ごめん、俺のだった…」


渉は申し訳なさそうに純に声をかけ、電話に出た。


「もしもし。何か用?」

「もしもし、渉?お前、純ちゃんに会いに行ったけど、その後、どうなったんだよ?」

「どうなったか、知りたいの?」

「もちろんだよ。あ!?もしかして、今、お邪魔だった?」

「すごくお邪魔だから、切るよ?」

「何?結局、お前も純ちゃんとヤった訳?」

「違うし。…お前の頭の中は、そんなことばっかな訳?じゃぁ、今忙しいから、またな」


渉はそう言って、一方的に電話を切った。


「ほんっとに、ごめんね」

「いえ、大丈夫ですよ」

「そういえばメアドは知ってるけど、ケー番は知らないから、交換しない?」

「じゃぁ、赤外線で送りますね」

「うん。お願い」


そうやって、二人は携帯番号を交換した。


「ありがとう。それじゃぁ、もう遅いし、今から送るよ」

「お願いします」


純は、笑顔で答えた。
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