Hurt〜傷〜
決別
そろそろタオルも冷えてきたので、シャワーを浴びてメイクに取りかかることにした。

温タオルのおかげで大分目の腫れも引いていたから、軽くメイクをして、制服に着替えた。

制服を着て、鏡で全身をチェックする。

いつもみたいにお母さんは、手足など人からよく見える所は傷つけてないので、一安心した。

学校の鞄と携帯電話を持ち、リビングへ向かう。


「おはよう、お母さん」

「おはよう。ご飯はいつも通り自分でしてね。私は急ぐからもう行くけど、大丈夫よね?」


お母さんは忙しなく身仕度をしながら話した。


「心配しなくても、大丈夫だよ」

「それなら良かった。じゃぁ、行ってきます」

「行ってらっしゃい」


私は笑顔でお母さんを見送った。

昨日のことが嘘のような、普通の家庭で見られる朝の風景。

私はつくづく自分のいい子ぶりっ子に嫌気がさした。

自分に嫌気がさすのは、いつものことだ。

本当に自分が情けない…。

私はそんなことを思いながら、朝食の支度をした。
< 89 / 89 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:1

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

Moratorium
榮華/著

総文字数/19,058

詩・短歌・俳句・川柳103ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop