【完】寂しい夜は、あなたに逢いたい。
「俺の?」
紫音の心臓が、ドクドク音を立てているのが分かる。
紫音の心臓と一緒に、私の躰も、一緒に揺れているような間隔になった。
「紫音から、もう雨の日に逢いに来ないって言われたとき…すごく辛かった」
「沙絢さん……」
「寂しいから、二人で躰を重ねた。だから、紫音の言うとおり、お互い相手のことを忘れることが出来たのなら、それが正しいと思う。
だから、言えなかったの。
私は、寂しくなくても、紫音が欲しいって……」