【完】寂しい夜は、あなたに逢いたい。

少年の長い前髪から落ちた雫が、私の頬に落ちる。


彼も私と同じで、雨に濡れていた。

そして、直感的に感じた。



「寂しい、の?」



「え?どうして?」



少年は少し垂れ目の丸い目を、クリッと見開いて私を見つめた。

そして、



「お姉さんも?」



と、私に尋ね返した。


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