【完】寂しい夜は、あなたに逢いたい。

「行こう、沙絢」



紫音は、反射ストーブの火を消して荷物をまとめると、私の手を引いて外に出た。



「待って。行くってどこに?」



「もちろん。姉ちゃんのとこ。今家かな?」



「ううん。今日は秀と食事するって言ってたから、いつもの居酒屋にいると思う」



「二人いるなら話は早いじゃん」



紫音はそう言って、私の首に自分のマフラーを巻いてくれた。

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