【完】寂しい夜は、あなたに逢いたい。
「遠距離になるし…そんな時に付き合っても、天音に寂しい思いさせるだけなのかなって思ったら、なかなか言えなくて…ごめん」
「そんな……」
天音は下をうつむいた。
天音の表情は、長い髪の毛で隠れていて、見えなかった。
「ちょっと、紫音…天音泣いてるんじゃないの?」
私は隣にいる紫音に、こっそり話しかけた。
紫音は人差し指を唇に当てて、「シーっ」と言って、秀と天音の様子を見守っていた。