【完】寂しい夜は、あなたに逢いたい。

「お姉さん、顔あげて?」



少年が、かがむようにして背を丸めて、私の耳元で囁いた。


私は、少年の声に従った。



少年は、私の唇にキスをした。

まるで雨の雫が落ちて、一瞬ではじけてしまうように。



本当に一瞬の出来事だった。


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