【完】寂しい夜は、あなたに逢いたい。

「ああー…ミスったああ」



頭を抱えて落ち込む紫音に、私はビールのプルタブを開けて差し出した。



「ありがとう…あ、こうしてお酒を二人で飲むのも初めてじゃない?」



「そうだね」



お酒を飲みながら思った。

こうして、紫音の思い出に染まっていくのだろうなって。


紫音にとっての思い出は、私が初めてで。

精一杯幸せにするために、出来ること。

全部してあげようと思った。

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