【完】寂しい夜は、あなたに逢いたい。
「沙、絢さん?」
その時、シオンの声が、秀を飛び越えて、私の元へ届いた。
「ちょっと…何やってんだよ!!」
シオンは、秀の体を掴んで、私から引き離した。
「は?お前、誰だよ」
私から引き剥がされた秀は、立ち上がって、シオンの肩をドンとついて、玄関の外へ追いやった。
外にある街灯が、うっすらと二人の顔を照らした。
「え…お前……」
秀は、街灯に照らされたシオンの顔を見ながら、動きを止めた。