どうぞ馬鹿だと笑ってください。
◇
我ながら、馬鹿だとは思う。
高3、夏休み。
俗に言う、受験の天王山。
学校の先生は1日10時間勉強しろなんて言ったけど、普段から勉強する習慣なんて付いていなかった私には到底無理だ。
私はいま、近所の市立図書館に来ている。
とりあえず、勉強をする習慣をつけようということで。
でも、それよりも何よりも、
彼が来るかもしれないから。
約束した訳じゃない、ただ、
『夏休み家じゃ勉強しないから図書館行こうと思ってー市立図書館とか』
『あー、市立図書館いーねー。俺今日も行ったし〜』
『え、じゃあ図書館いけば会えるかもなの!?』
『そうかもね〜(笑)』
『じゃあ来週から図書館入り浸る!』
なんてやり取りをメールでしただけだ。
彼からは来るとは一言も言われてないし、ていうかそもそも彼はまだ、学校の夏課外があるらしい。
それでも、君に逢えるかもしれない、そんな一握りの希望でもあれば、私はそれに縋り付く。
まぁ、勉強をして、それで彼が来たらラッキーということにして、今週はずっとこの図書館に入り浸っている。
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