どうぞ馬鹿だと笑ってください。

図書館内へと戻り、先程と同じ席につく。

別の教科をやろう。


図書館へ来てもう3時間近くたつけど、一向に何も進んでいなかった。


君が10秒に一回頭をよぎるから、なんにも進まないんだよ。



もう今日は帰ってしまおうか、と思ったが、彼が来る希望を捨てきれず、再びペンを握った。


こちらへ向かってくる全ての足音が、彼に聞こえ、それが別人であると確認する度に悲しさが増長していった。



毎日毎日彼を焦がれていたが、今日が1番ひどい。

逢いたくて、しょうがない。


不意にまた涙が出そうになり、息をおもいっきり吸い込む。


4人掛けの机の、私の隣の椅子は空いている。


この隣に、彼がいてくれたらいいのに。


何度、そう思っただろう。


――運命の人だったら、来てくれるのかなぁ


彼との関係に運命なんて感じたことはない。

ただ、私が彼に縋っているだけ。


結局、私達の繋がりなんて、そんなもん。




不意に後ろを振り返る。


別に、誰の足音が聞こえた訳じゃない。

ただ、なんとなく。


目線をやった先にいた人物に、思わず息を飲む。



――心臓が、潰れるかと思った。



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