再恋
ひ「10年前もそうだったよな?」
「ヒョコッと現れていつのまにか姿消して。また消えるつもり?」
ひかるが私の手首をいたいくらいに掴んで私をみつめる。
(10年でこんなにも人って変わるんだなぁ…そう思った。)
だまりこくってると、
ひ「とりあえず入れ。」
そう言われ店内の裏側にある休憩室に通された。
私はソファに座ると閉ざしていた口を開いた。
夏「まりさんは?」
ひ「まりとは別れた。」
夏「そう。」
一瞬悲しそうな顔をしたのを見逃さなかった。
ひかるくんは今でもまりさんのこと―――
ひ「はい。これ。」
手渡されたのは救急箱とタオル。
夏「ありがとう。」
ひ「あともうすぐで店しめるからまってて。送る」
夏「え、でも!」
ひ「いいから。寒かったらそこの棚にタオルケットあるから使っていいぞ。」
夏「…うん。」
そう言うとひかるは休憩室をあとにした。
―――