再恋
ザー―――
今は仕事が終わったひかるくんに車で送ってもらってるとこ。
風は弱まったが、雨は変わらず降り続けている。
二人とも何かを話すわけでもなく車内には雨の音と最近よく耳にする歌がきこえてくるだけだった。
ひ「ところで…家どこ?」
夏「…フォルクスっていうマンション」
最近できた高層マンション。
家賃とかは庶民でも払えるほどの安さ。まぁ、上階にいくほど値段が高くなるようだが、最上階はまるまる1部屋になってるみたいで家賃もばかでかくなるようだ。
夏稀は20階あるうちの13階。
眺めがよくて気に入ってる。
ひ「え?」
夏「?」
ひ「俺もそこ…」
夏「…」
なんという…
でも会わなかったのは納得できる。最近できたマンションだからまだフォルクスに住んで日が浅い。
ひ「…久しぶりだよな。」
夏「…そうですね。」
ひ「何でいきなり敬語?」
夏「さっきまでのは驚きで敬語でなかっただけです。普段は敬語を使っているんです。」
ひ「へぇ…友達でも?」
夏「友梨や新堂さんには敬語はあまり…」
ひ「そっ…か…。」
夏「はい。」
ひ「…」
夏「…」
―――