乱桜-Midare Zakura-
第一章
現在。
「ひかる、大きくなったらひーくんとけんこんする!」
大きな茶色い目が特徴の女の子が言った。
「けっこんだよ~」
笑いながら言う少年に少しふくれっつらをして見せる少女。
「ちゃんと言ったよ!!」
「はいはい」
苦笑してそばによる。
少女も少年の顔を見上げた。
「約束。絶対だからな?」
「…ん」
照れたように笑う少女の笑顔は、
大輪の花が咲いたような輝きをもっていた。