【完】短編集~幼馴染み~
次の日、俺は空港へ向かった。
もちろん、未来を見送るためだ。
すぐに見つけれた。
俺の、愛しい彼女。

「未来!」
「陸っ!?」
「あら、陸くんじゃない」
「こんちは」
おじさんとおばさんに挨拶をする。

「り、くっ」
「ホント、泣き虫だよな」
俺は未来の涙を拭う。

「向こう行ったら、涙拭ってくれるやつ、いねぇよ?」
「泣かないもん!こっち戻ってきて、いっぱい泣いて、陸に拭ってもらうもん!」
「バカ。可愛すぎなんだよ、お前は//」
おじさんとおばさんは、先に行ったみたいだった。

「なぁ、未来」
「ヒック…なに?」
「お前は、あの約束…覚えてる?」
「え?」
「ガキのころにした…「覚えてるよ」
「えっ?」
「陸、プロポーズ、してくれたもんね」
覚えて、くれていたのか。

「俺は、あのころから変わらず、未来が好き」
「あたしも、同じだよ。あの頃から、気持ちが変わったことなんて、1度だってない」


『大きくなったら、僕と結婚しよぉ!』

『いいよぉ!未来、大きくなったら陸くんのお嫁さんになるぅ』


幼いころ交わした、不確かな約束。



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