【完】短編集~幼馴染み~
誰か、嘘だといって。

冗談だと、笑い飛ばしてくれ。

なのに…
周りには、泣き崩れる人ばかりいて。
起きたことが、現実だと、知らされる。
嘘だ、嘘だ…

「未来っ、な…んでだよっ…!」

俺は力なく、座り込む。
頭に浮かぶのは、未来のことばかりで…。

無邪気な、笑顔で。
『未来、大きくなったら陸くんのお嫁さんになるぅ』

いつも、駆け寄って。
『陸~、英語のノート見せて♪』

さらっと、俺を褒めて。
『相変わらず、優しいよね、陸は』

顔を、真っ赤にして。
『…あたしも、陸が好き』

泣きじゃくった、顔で。
『…陸と、離れたく…ないよぉ…!』

最高の、笑顔で。
『陸、行ってきます…!』

『陸くん』
『陸っ』
『陸』
陽だまりのような、温かい、笑顔。



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