【完】短編集~幼馴染み~
教室に入ると、瑠奈がいた。
「は、早川、おはよ//」
「あ、相澤くんおはよぉ!」
頬を赤く染める夕陽を見て、
胸が、痛んだ――…
「夏希も、おはよっ」
「おはよう、瑠奈」
あたしは笑顔を作り、自分の席へ。
「おはよー、夏希」
「おはよ」
この子は純<ジュン>。
あたしの、親友。
「目、赤いけど、どうかした」
「っ!」
なんで、気付いちゃうんだろう…。
「ねぇ、理由って、もしかして…あれ?」
純は指をさす。
その方向には…
瑠奈と笑い合っている、夕陽。
「…ハハッ、なんで、分っちゃうかなぁ…」
「夏希…」
「大丈夫だよ、昨日…いっぱい泣いたから」
「バカ。辛いと、苦しいと、悲しいと、涙出るんだよ。涙は、枯れることなんてないの」
「…っ」
「夏希、ちょっと、教室でよっか」
あたしは頷いた。
ひと気の少ない場所で…
あたしは、涙を流した。
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