【完】短編集~幼馴染み~
side夏希


教室に戻ると…
「お、夏希!どこ行ってたんだよ~」
「ん?ちょっとね。それより、なんか嬉しそうだけど。何かあったの?」
「さすが夏希!よく分ってんな!実は、“瑠奈”のアド、ゲットできたんだ♪しかも、名前呼びOKだって言われて!」
――ズキン、と胸が痛んだ。
「良かったじゃん」
「あぁ、マジ、嬉しい!!」
「夏希…」
純が、心配そうな顔をして、あたしを見ていた。
大丈夫だよ、純。
だって、夕陽の幸せが、あたしの幸せだから。

なのに、なんでかな?
なんで、こんなに胸が、苦しいのかな。


あたし、最低だなぁ…。


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