【完】短編集~幼馴染み~
『俺、好きな子できた』
自分の好きなヤツからそんなことを言われたら、どう思う?
俺だったら…耐えられない。
なのに、夏希は…
『頑張ってね』
俺のことを、応援した。
『夏希、応援、してくれるよな』
俺は、なんて残酷な言葉を言ってしまったんだろう…。
『当たり前っ!頑張りなよ?』
なんで、夏希は…
あんな言葉を、言えたのだろう。

『“瑠奈”のアド、ゲットできたんだ♪しかも、名前呼びOKだって言われて!』
俺は、なんて無神経だったんだ…。

『夏希って、ホント姉ちゃんみてぇだよな』
こんな言葉、“恋愛対象外”。
そう言ってるようなもんだ。
――最低だ。

『ヤベぇ、どうしよ!瑠奈と、今度の日曜デートするんだ!俺、その日、告白しようと思うんだ。夏希、どう思う?』
『サンキュ!夏希は、最高の幼馴染みだなっ』
送ったメール。
あぁ、俺…ホント、夏希を傷付けてばかりだ。

『俺、瑠奈と付き合うことになった』
そう言ったあとに見せた、夏希の泣き顔が、忘れられない。


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