【完】短編集~幼馴染み~
俺は白状し、善に紗季姉を好きなことを言った。
「ふぅん、幼馴染みねぇ…」
「紗季姉は、俺のこと幼馴染みっつーか、弟としてみてると思う」
「まぁ、頑張れよ。応援してっから」
「サンキュ」
「俺的に、脈、あると思うけどなぁ…」
善はそう言って、紗季姉たちがいる中庭を見た。
俺も再び視線を中庭に向けると──…
「っ///」
紗季姉が、笑顔で俺に手を振っていた。
俺も振り返す。
「な?十分ありそうだろ、脈」
「いや、あれは…日常茶飯事だから」
「え?まさか、目ぇ合ったりしたら、手、振ってくれんの?」
「あぁ。紗季姉は天然だから」
「天然は最強だもんな。ま、頑張れよ」

あーあ、気付けよな、紗季姉。
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