【完】短編集~幼馴染み~
「ふ…ま」
風馬のことを想うだけで、涙が流れた。
「それが、紗季の気持ち。涙がでるほど、風馬くんのこと想ってるって証拠だよ」
「美琴…あたし…行かなきゃ」
「行っといで。ちゃんと、想い伝えなよ?」
「ありがとう、美琴!!」
「ほら、早く行きなっ!」
あたしは風馬の家へ向かった。
やっと、やっと気付けた想い。
あたしたち、きっと近すぎたんだよね…。
近すぎて、大事な存在に気付けなかったんだよね…。
風馬。
あたしの気持ち、
受け止めて。