【完】短編集~幼馴染み~
「じゃぁまたね!」
「バイバイ、菜子」

菜子と会社で別れ、帰り道――…。

「やぁ、沢渡さん」
「っ、柳瀬さん…」
「友達の食事、じゃなかったの?もう20時だよ?」
「あっ…、今日、中止になって…」
「じゃぁ、今から食事行こう」
「いや、あの…ちょ…」
「チッ」
柳瀬さんは舌うちをすると、私の腕を強く掴んだ。
「イタッ」
「こい」
そう低い声で言い、私の腕を強く引いた。

連れてこられたのは、建物と建物の隙間の路地。

……怖い……。



< 235 / 587 >

この作品をシェア

pagetop