【完】短編集~幼馴染み~

本当の気持ち

「嫌だ、って…」

「…俺さ。やっと、気付いたっぽい。自分の、気持ち」

「キ…モチ?」

「俺…美月が、好きだ」

「え……」

でも、あたし…3度も、振られてるんだよ?

「振ったのにって、思うかもしれない。てか、思って当然だと思う。
だけど…俺。近すぎて、美月の大切さに、気付かなかった。
この気持ちは、幼馴染みとしてだと思ってたんだ。
だけど…っ、違ったんだ。最近、すげぇ美月と兄ちゃんが仲良くて。
すげぇ、焦った。美月が、俺以外を見るのが、嫌だって思った…!
美月…俺と付き合ってください」

「……っ」


「返事は、今日の帰りにちょうだい」
「え?」
「今日、部活休みなんだ」
「わ、わかった…」
「今日、授業終わったら美月の教室行くな」
「う、うん…」
「じゃな」

あたしの髪をクシャッとして、宏也は笑顔を見せ教室へ走っていった。


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