【完】短編集~幼馴染み~
side宏也


「ありがとう!」

そう俺に向かい叫び、美月は行ってしまった。


兄ちゃんの、ところへ。

「あーあ、俺って本当バカ」

どうして、気付かなかったんだろう。

もし、俺が自分の本当の気持ちに気付いていたら。

きっと、俺の隣には、美月がいて。

あの、明るい笑顔で、笑ってくれていた。

美月は、3度も俺に告ってくれたのに。

なんで、人ってやつは…

失くしそうになった時に、大事なもんに気付くんだろう。

最初から、気付かせてくれたなら、よかったのに。

「美月も、こんな気持ちだったのか…」

3度、美月はこんな思いしてたんだよな…

「キッツイな…、これ」


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