【完】短編集~幼馴染み~
side美月


走れ、走れ。もっと、早く。

「はぁ…はぁ…」

こんなとき、自分が足の速い子だったら、なんて自分の足の遅さを呪う。

ここを曲がれば、あとは数メートル一直線だ!

曲がった途端…

「わっ」

誰かにぶつかった。

「ごめんなさい…!あ…」

「え、美月?ワリ、大丈夫か?」
「あ、うん。平気…」

「…なんで、泣いてんの?」
「え」
「また、宏也?」
「……っ」


なんて、切なそうな顔。


どうして、そんな顔をするの?

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