【完】短編集~幼馴染み~
「それ、マジ?」

きっと、ダメだろうな。
だけど、言わなきゃ…!
宏也が、背中押してくれたんだからっ!

「う、うん。ホントだよ。
あたし、翼くんが…っ!」

翼くんが好きなんだ、と言い終える前に、翼くんはあたしの腕を引き、
抱き締めた。
翼くんの、優しく温かい体温に包まれる。

……え?

「つ、翼くん…っ?」

待って、こんなことされたら、あたし…

バカだから、期待しちゃうよ。

翼くんは、あたしの耳元で囁いた。


「俺も、美月が好きだ」



―――……と。





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