【完】短編集~幼馴染み~
「美月。俺は、傷ついてなんていない。
てゆーか、たとえ傷ついたとしても、傷つかない恋なんて、ないと思う。
美月が笑顔見せてくれるたびさ、俺は嬉しかったから。
すげぇ、幸せだったから。
今、こうして。俺を好きになってくれたこと、嬉しいから。
だから、謝んな」

翼くんは、どこまでも優しい人だ。

ホント、あたしにはもったいない。

「美月、俺と付き合って」

「…うんっ…」

「ずっと…俺の隣で、笑っててな」

あたしの涙を拭い、抱き締めた。

強く、強く…。

離れた体。

あたしは翼くんに…


笑顔を、見せた。


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