【完】短編集~幼馴染み~
「なにしてんだよ」

黒いオーラを出している彗。
正直…怖い。

「えっと…お話してただけよ?」
「じゃぁ、その手はなんだよ」
「…っ、そう!この子の制服、乱れてたから直してあげてたのよっ」
「……鈴。そうなのか?」
鈴を見る彗。
違うよ、って言いたいけど…
先輩たちが、“そうだ”って言えとでもいうように、睨んでいて。

「そう…だよ。制服、直してもらってたの」

弱気な鈴は…こう言うしか、なかった。
お願い、彗。
気づいて……。

「……そっか」

……鈴の祈りは、届かなかった。

そりゃ、肯定したんだもんね。
仕方、ないよね。




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