【完】短編集~幼馴染み~
「鈴音、大丈夫か?」
「へい…きっ!」

ニコリ、笑って見せる。

「はぁ……」
え、ため息??

「なんで、こんな時まで無理すっかな。
…泣けよ。
さっきからずっと、泣きそうな顔してるくせに」

「っ、」

「怖かったんだろ?」

鈴の頭をポンポンとするしぐさ。

そのしぐさで、鈴の涙は一気に流れた。

ホントは、泣くなんてしたくないのに。

彗はずっと、鈴の頭を撫でてくれていた。

その手は、

大きくて、温かくて……


とても、優しかった。


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